たかが、夢。
知らない人間はそう言うけれど、この世界において、夢は重要な意味をもっていた。

災害や異常気象は誰かの夢によって引き起こされ、
他人の行動でさえもコントロールできる力をもつ人もいる。

僕も、その事実を知らない人間のうちの１人だった。
――彼女たちと、出会うまでは。

その日、僕は３つのものと出会った。

１つめは、闇から現れた謎の女性。
２つめは、忌み嫌われる存在、バク。
３つめは、仮面の少女。

仮面の少女は次の日も現れ、言った。
「世界はバクに食べられている」
この世界は夢がすべてだから、と。