MIST
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MIST 紹介:
MISTストーリー
私を、お嬢様、と呼ぶ人がいた。
両手をしっかり支えられて持たされたカップに、赤い液体が揺らめいている。
透き通った赤はきらきら輝いて、それだけが妙に鮮やかに眩しい。
甘くて酸っぱい香りは確かに覚えがあって、なのにどうしてか思い出せない。
――お嬢様。お飲みください。先を急かすような声も、知っているのに。
そのひとは、……このひと、は、誰 だっけ?
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私を、お嬢様、と呼ぶ人がいた。
両手をしっかり支えられて持たされたカップに、赤い液体が揺らめいている。
透き通った赤はきらきら輝いて、それだけが妙に鮮やかに眩しい。
甘くて酸っぱい香りは確かに覚えがあって、なのにどうしてか思い出せない。
――お嬢様。お飲みください。先を急かすような声も、知っているのに。
そのひとは、……このひと、は、誰 だっけ?